お正月カレンダー
更新日:2018年5月15日
お正月の始まりは、先祖の魂(たましい)を祭る行事(=魂祭:たままつり)だったと言われています。現在は、民具展のページした「注連縄(しめなわ)・注連飾り(しめかざり)」の他鏡餅(かがみもち)や門松(かどまつ)を飾り、おせち料理を食べるお正月が一般的ですが、昔の大野城市ではどんなお正月を過ごしていたのでしょうか。
大野城市のお正月 年末の準備
12月下旬
モチつき
お正月に食べるモチをつく日。「苦」につながる29日と丑(うし)の日にはモチをつかないと決まっていた。
地域:全地区
モチバナ(餅花)
柳の枝にモチを小さく丸めつけた飾り。その年に初めて女の子が生まれた家で、モチつきのときその子の初正月を祝い、成長を願うため作られた。
地域:全地区
12月30日 12月31日
竹の塀のたてかえ
隣家との仕切りである竹の塀をきれいに建てかえる作業。昔の農家の人々は大晦日(おおみそか:12月31日)の前日まで忙しく働き門松(かどまつ)を立てる時間がなかったので、これでお正月の準備とした。
地域:全地区
大野城市のお正月 1月の行事
1月1日
ワカミズクミ(若水くみ)
1月1日の早朝に、家の主人が井戸水を汲む行事。東やアキホ(恵方:「えほ」とも言う)と呼ばれる縁起(えんぎ)の良い方向を向いて汲むと良いとされた。
地域:全地区
オシオイトリ
海辺の清浄(せいじょう)な砂を取る。牛頸川(瓦田地区)・汐井川(しおいがわ)と雉ケ尾川(きじがおがわ)(釜蓋〈かまぶた〉地区)・御笠川(畑詰地区)が砂を取る場所で、神棚に供え家々に配った。
地域:全地区
アキホマイリ
良い方角にある神社や地区の氏神(うじがみ)の神社に初詣(はつもうで)をした。
地域:畑詰 中 釜蓋
カドマツ
「ワカムギカエ」といい暮れに取った大きな松の木を元旦に立てる家があった。(牛頸)
山林がない地区では松以外の木(サカキシバなどの常緑樹〈じょうりょくじゅ〉)を立てた。(雑餉隈)
地域:牛頸 雑餉隈
1月2日
ナイゾメ(初仕事)
男の人が朝3時から5時に起きてワラを打ち草履(ぞうり)・草鞋(わらじ)・牛のくつなどのワラ細工を作り、終わると風呂に入った。元旦はみんな風呂に入らないので、この風呂の準備が女の人にとって1年の初仕事になった。
地域:全地区
1月3日
ビシャモン参り(毘沙門参り)
四王寺山の毘沙門天の神社にお参りし、さい銭を借りて山を降り、次の年に感謝の気持ちをこめて借りた倍の金額を返すという変わった参拝である。現在もお参りはあるがさい銭を借りる風習を行う人は少ない。
地域:牛頸地区以外の全地区
雑煮(ぞうに)
雑煮には、スルメとコンブのだし汁に1度煮たモチを入れた。スルメとコンブの椀の底にしいて、モチと一緒に食べた。食べる時は、大晦日(おおみそか)に山で取った栗の木で作る箸(はし)「栗はい箸」を使う。
地域:全地区(牛頸地区は食べない家もある)
書初め(かきぞめ)
主に子どもたちが行なった年の初めの書道。
地域:全地区
1月7日
ナナクサジュル(七草汁)
お正月の時期に弱った胃腸を癒(いや)し、冬を乗り切る活力をつけるため、セリ・ナズナ・など冬に生える7種類の草を味噌汁に入れて食べる行事。6日に七草を取り、当日ゆでてしゃもじと包丁の背でたたきながら「唐土(とうど)の鳥と日本の鳥が渡らぬ先に七草たたけ」と唱えた。
地域:全地区
ホンゲンギョウ
一年の幸せと健康を祈る行事
地域:全地区
1月11日
鏡開き(かがみびらき)
鏡餅を食べる。黄粉につけたが、なぜ黄粉かは不明。
地域:全地区
1月14日
モグラ打ち
長い棒の先にワラを巻きつけ、地面を叩く行事。
地域:全地区
チカラモチ
ごはんをたくとき「チカラモチ」と唱えてモチを入れ、神前に供え家族で食べた。乙金地区は18日にぜんざいを「あずきぞうに」と呼んで食べた。
地域:全地区
1月15日
ダンダラガユ
小豆(あずき)ごはんをたき、いっしょにモチも入れた。白木原・雑餉隈・釜蓋ではこの粥(かゆ)のことを特に「ダンダラガユ、筒井では「カユバシラ」と言った。
地域:全地区
1月16日
仕事を休む日
山田地区では、この日に働くと地獄(じごく)の釜(かま)に落ちると言っていた。
地域:全地区
1月20日
コワモチ(ハツカ正月)
この日も仕事を休み「強餅(こわもち)」という固いモチを食べた。「寝正月(ねしょうがつ)」(釜蓋)、「小正月」(白木原)とも呼ばれる。
地域:全地区
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